2020年3月新聞調査(3)本支社による紙面の違い

新聞版数面建て調査

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毎日新聞

 朝日新聞は1面の天気予報の掲載位置は同じでしたが、毎日新聞は大阪本社と東京本社、中部本社で異なります。大阪はコラム「余録」の右に掲載していますが、東京と中部は「余録」の左側です。

左上から時計回りに東京、中部、大阪の各紙面

 天気予報の地点は、大阪本社が管内の関西2府4県、北陸3県、山口を除く中四国8県の各府県庁所在地に加えて舞鶴、豊岡、津を合わせた20地点が3時間毎の天気と翌日の天気。また東京、那覇と札仙名福の6都市も昼、夜、翌日を載せています。中部本社は管内の東海3県は2都市ずつで、加えて全国9都市。東京本社は全国15都市で、管内の全都県を網羅しているわけではなく、東北は仙台と秋田のみ記載、関東甲信越静では宇都宮、水戸、甲府がありません。15日付の東京本社紙面を仙台などでも入手していますが、同じ地点となっており、朝日のようにセット版と統合版で地点を変えることはしていないようです。

 他に1面では、各紙面から主な記事を紹介する「NEWS LINE」が東京・中部では「余録」の右下の位置にもはみ出し、社説の見出しを載せていますが、大阪でははみ出していません。また大阪の1面は近藤勝重客員編集委員が選者を務める「近藤流健康川柳」が載っています。

左から大阪、中部、東京の各紙面

 毎日新聞も東西で源流が異なることから紙齡が異なります。朝日同様、東京以東と中部以西という境界になっていますが、紙齢が大きいのは朝日と違って東のほうです。西は1885年創刊の「日本立憲政党新聞」(のちの「大阪毎日新聞」)から紙齢を継承していますが、東は1872年創刊の「東京日日新聞」を源流としています。こうした経緯もあり、現在の東京紙面には紙齢横に「【明治5年創刊】」と記されています。

 第3種郵便物認可は東京が明治25(1892)年3月8日、大阪が同25日、中部が昭和25(1950)年2月1日となっています。

上が大阪14版☆、下が東京14☆版

 編集面を見比べてみましょう。14日付紙面を見ると見出しや記事の配置が異なります。やはり毎日も朝日同様、大阪では関電問題が左上位置に来ました。特徴的な違いは関連記事への案内の仕方。大阪は新型コロナ関連の案内をNEWS LINEの上にまとめたのに対し、東京は経済関連、五輪関連とそれ以外の新型コロナ関連を分け、各記事に案内を記載する形を取りました。

読売新聞

左から大阪、東京、中部の各紙面

 読売新聞は朝日、毎日と異なり名古屋の拠点は「中部支社」と東京本社の支社として位置づけられています。1面天気の下に問い合わせ先が明記されていますが、紙面関連の問い合わせ・意見を受け付ける番号は中部紙面でも東京の番号になっています。中部支社は「中部読売新聞」として1975年に現地発行を始めて以来、朝刊単独発行を続けています。

 読売でも中部紙面の編集は東京に集約されており、14日付朝刊1面のレイアウトはほぼ共通しています。締め切りが近い大阪13S、中部13版、東京13Sを見比べます。1面上部の紙面案内に目をやると中部と東京はほぼ項目が一致していますが、社会面記事は中部が地元ネタに差し替えていることが分かります。

上から東京、中部、大阪の各紙面

 また中部紙面の紙齢も朝日、毎日と異なり、大阪ではなく東京と同じ数字になっており、東は西の2倍近い値です。第3種郵便物認可も、東京は明治25(1892)年、大阪は昭和27(1952)年、中部は昭和50(1975)年の日付です。読売は東京のブロック紙として始まり、西日本への進出は戦後になってからでした。

 土曜紙面の特徴としては、通常の経済面2個面に加えて中部支社は東海けいざい面、大阪本社は関西経済面を1個面ずつ設けていることです。大阪の関西経済面はインタビュー記事を中心とした読み物としての側面が強く、一方、中部の東海けいざい面は全国向け経済面と同様に生ニュース主体になっています。

 この違いは、通常の経済面を大阪は独自編集するのに対し、中部は東京と共通紙面になっていることが影響しているとみられます。関西経済の生ニュースを大阪では通常の経済面でも大きく扱えるため、関西経済面では読み物のような大型記事を扱う一方、中部紙面は東海けいざい面で東海経済の生ニュースを補完する格好を取っているのでしょう。

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