今週のフロント
NHK スペシャル『東京ブラックホールII 破壊と創造の1964年』(2019.10.13)

過去の記録映像に 山田孝之 がVFX技術を駆使して「タイムトリップ」し、当時の東京の市民の苦しい生活を追体験する異色のドキュメンタリードラマの2回目。今回は東京オリンピック開催年の1964年が舞台だったが、急激な経済成長に伴う公害の発生、売血の横行、公共事業に群がる闇社会など、ノスタルジックな語りがされがちな1964年の現実を描写した。
中でも知らなかったのは、貝塚の日紡バレー部の女性選手たちの話。当時は五輪種目ではなく、世界選手権で優勝し凱旋帰国した後は選手を引退し、結婚して新たな人生を始めるつもりだったという。ところが日本のメダル獲得数を増やしたい組織委側がバレーを種目にねじ込む。選手たちが引退の意思を曲げずにいると、次第に各地から罵詈雑言の投書が相次ぎ、非国民扱いに。やむなく引退を撤回し出場したのが、のちに東洋の魔女と呼ばれる人たちだった。
見た
テレビ番組
- テレビ朝日『時効警察・復活スペシャル』オダギリジョー、麻生久美子、吉岡里帆 ほか(2019.9.29)
聴いた
ラジオ番組
- TBSラジオ『荻上チキ Session-22』特集「浅沼稲次郎・社会党委員長刺殺事件〜右翼少年によるテロ が今、投げかけるものとは(TBSラジオアーカイブを聴く)」荻上チキ、南部広美、片山杜秀、崎山敏也(2019.10.9)
読んだ
書籍
- 江川紹子『「カルト」はすぐ隣に─オウムに引き寄せられた若者たち』岩波ジュニア新書(2019)
- 松沢裕作『生きづらい明治社会─不安と競争の時代』岩波ジュニア新書(2018)
ウェブサイト、新聞・雑誌記事など
- 小田嶋隆『アートという「避難所」が消えた世界は』日経ビジネス「小田嶋隆の『ア・ピース・オブ・警句』 ~世間に転がる意味不明」(2019.10.11)
- オリビエ・ブランシャール、田代毅『財政赤字拡大容認論を問う(上)債務、コスト限定的で効果大』日本経済新聞「経済教室」(2019.10.7)
- 岸野雄一、アフロマンス、和田永、ドミニク・チェン、市原えつこ『“DJ盆踊り”を実現。町内会を動かす“天才”が明かしたノウハウとは?』FNN プライムオンライン(2017.10.13)
- 北田暁大『荒川区から考えている』note(2019.10.13)
- 仲俣暁生『あいちトリエンナーレのささやかな「勝利」』ニューズウィーク日本版(2019.10.8)
- 平山泉『国語研ってどんなところ?』毎日ことば(2019.2.2)
- 古川美佳、聞き手・高重治香『少女像、日本糾弾ではない意図 理解の鍵は「民衆美術」』朝日新聞 デジタル(2019.10.10)
- 星岳雄『財政赤字拡大容認論を問う(中)超低金利下でも維持不可能』日本経済新聞「経済教室」(2019.10.8)