カフェのテーブル席で読書していたら、正面に男子受験生2人が座り大きな声で喋り始めた。
うるさいなあと思いつつページを繰るのだが、2人は「あいつセンター66%やのに京大受けるらしいで」とか「上智の英文学科とかかっこええよなあ」とか「○○の理系はアホ」とか、まあその程度の話を延々としている。そういう話をしている連中だから、最高レベルの進学校の生徒なんだろう。
すると私の隣に座っていた男性は、ノートPCを見つつ電話をかけた。「大阪大学農学部の○○ですが〜」という名乗りをした瞬間、前の2人が目を見合わせ、男性をスターでも見るような目で見て黙りこくった。こんなに純粋に(?)「学歴で人を判断する人」を初めて見た。
電話の間さすがに声量を抑えていた2人は、電話が終わった途端また大きな声で話し始める。どうやら1人は旧帝大の一つ、もう1人は東京のトップクラス私大志望だということは分かった。彼ら曰く「あいつ浪人する気らしい」「俺も来年に向けて勉強してるから」「マジかよ。浪人に人権はないで」「まあな」。そこから浪人にいかに人権がないかという話を延々と続け始めた。
1浪1留の私を前に、延々と繰り広げられる「浪人に人権ない」論に笑いをこらえた。私も彼らの年頃だった時のことはもうよく覚えていないが、そんな感じだったのかもしれない。ただ(確かに学歴は大事だけど)彼らの思っているような意味で学歴が大事なわけじゃないよなあとか思っていた。私も、人を人として、人に人として接することの大切さに思い至るようになったのは最近のことだし。
(2020.2.17)