フジがCM一体のドラマ放送と日経報じる

2018年6月5日

フジテレビが電通と組み、6月下旬にストーリーとCMが一体化したドラマを放送すると、5日付の日本経済新聞朝刊が報じました。

フジテレビは電通と組み、ストーリーとCMが一体化したドラマの放送を業界で初めて試みる。6月下旬に放送するドラマでCMのストーリーを本編に組み込む。視聴者はCM中…
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番組は20日深夜の単発ドラマ「名探偵コジン」で、CM作りにもドラマと同じ監督や脚本家が携わるとのことです。サントリー、LINE、エクスコムグローバルの3社がスポンサーになり、ドラマ中に90秒のCM枠を4本設けて、商品を紹介しながらストーリーが展開するという仕組みのようです。

ここで思い出すのは広告放送の識別に関するルールです。放送法12条には「放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない」と定められており、日本民間放送連盟(民放連)も放送基準(リンク)の中で「広告放送はコマーシャルによって、広告放送であることを明らかにしなければならない」とし、番組本編とCMが明らかに識別できるようにしなければならないことになっています。

日経の記事によると今回のフジのCM一体化ドラマでは、CM部分で画面上部に「CM中です」と明示し、視聴者が意図的な演出だと分かるようにするとのことなので、とりあえず条件はクリアということでしょうか。

これまでも番組中で、その出演者や演出を一部引き継いだ形で放送するタイアップCMはありました。例えば朝日放送「なるみ・岡村の過ぎるTV」ではKDDIとのタイアップCMが放送されていました。このような場合、当該CMの開始時と終了時に企業と番組のロゴや、「これはCMです」などの文字テロップがを表示してCMであることを明示していることがほとんどです。

今回のフジの試みは、ドラマのストーリーが番組本編とCMとの間をシームレスに展開していくので、おそらく「CM中です」の表示はCMの間常に表示されることになるのではないかと思います。画面構成が気になるところです。