きょうも生きています #103

2019年8月1日

 6月、7月とアルバイトにいそしんだので今月は少しセーブするのだが、それにしても休学中の学生には、家に何日もこもるのは少々気が引けるところがあり、用もないのにとりあえず電車に乗って大阪市内へ出てみたりする。

いまざとライナーの地下鉄今里駅前(南)停留所

 天王寺から大阪メトロのBRT(バス高速輸送システム)社会実験路線「いまざとライナー」に初乗車。難読地名でおなじみ「杭全(くまた)」がJR東部市場前駅の最寄りバス停であることを初めて知った。通常の路線バスよりも定時性を高めることが求められるためからか、ダイヤには余裕があり、杭全で2分弱も停車していた。車内には液晶ディスプレーがあって、停留所から鉄道駅への乗り継ぎ案内を随時表示。到着予定時刻に合わせて鉄道の発車時刻も載せているのが、結構便利。地下鉄今里駅前バス停で下車した。

 移動中、知り合いからプラネタリウムへ行くのを勧められたので千日前線、四つ橋線と乗り継いで肥後橋駅、少し歩いて中之島の大阪市立科学館へ行った。

大阪市立科学館(左)

 当然のごとく夏休みなので家族連れ多かりき。正午からの投影を観賞。やはり子どもの多い時のプラネタリウムは解説員のネタへの反応が大きく、やる側もやりやすかろうし、聴く側も楽しめる。反応に遠慮がないのがいい。今夜の星空解説ののち、プログラム『星の降る夜に ~流星群の正体に迫る~』の上映。プラネタリウムで既製番組を流すことに懐疑的で、やはり冒頭は会場の空気が冷めた感じがあったが、番組が物語の筋も視覚演出もよく、なかなか楽しめた。

 科学館はプラネタリウムだけでなく、サイエンス全般の展示があるのでそちらも拝見。さまざまな体験コーナーは子どもたちが占領していることもあり控えめに眺めていたが、ノーベル物理学賞受賞者の故南部陽一郎さんの有名な色紙「対称性は破れてもよい」を目の当たりにできてよかった。

 科学館には国立国際美術館が隣接している。元々美術に明るくない上に、現代美術中心と聞くだけで敬遠していた部分はあったものの、以前先輩から勧められていたしとエイヤで入ってみた。

国立国際美術館

 4日に閉幕を控える展覧会『抽象世界』を見る。スターリング・ルビー『SP101』(2010年)には圧倒されるものがあった。 エルズワース・ケリー『斜めの黒いレリーフ』(2010年)、クリストファー・ウール『無題』(1990年)、同『無題』(2014年)はモノクロのコントラストが映えて好きだった。

 同時に開催されていたコレクション特集展示『ジャコメッティとⅠ』は、交流の会った哲学者矢内原伊作をモデルとしたアルベルト・ジャコメッティの彫刻作品やデッサンを中心に、同時代の人物像表現とセットで展示する企画。絵画『男』(1956年)、彫刻『裸婦立像』(1950年頃)など。『男』に至るデッサン集が、ジャコメッティの人物観察の執念を感じられてよかった。