締め切り間際の苦労がにじみ出た紙面

2018年3月21日

 少し前の話になりますが、1月31日の夜遅くに札幌で施設火災が発生し亡くなる方もいました。新聞社にとっては深夜の突発的なニュースを紙面に盛り込むのはさぞかし大変な作業だろうと思います。

 京都新聞でも翌2月1日付朝刊は、その苦労がにじみ出た紙面となりました。第1社会面になんとか突っ込んだ様相ですが、見出しとリード(本文冒頭)の内容が微妙に噛み合いません。

 見出しは「4人が死亡」となっていますが、リードでは「安否の確認を急いでいる」にとどまっています。その後本文を読み進めても、①8人を救助②うち2人は意識があり6人の容体は不明――という情報しかありません。

 すると本文語に「◇」で区切られ、4人の死亡確認、16人が入居という2文が続きます。よく見るとどちらも「北海道警によると、札幌市の高齢者施設火災で」「北海道警によると、出火した札幌市の高齢者施設には」と本文と重なる表現が含まれています。

 これ前者「北海道警によると、札幌市の高齢者施設火災で、入居者とみられる4人の死亡を確認した。」という文は共同通信のニュース速報ツイートの文面と全く一致します。

https://this.kiji.is/331470022696420449?c=39550187727945729

 おそらくですが京都新聞は、共同通信が配信した記事の後に、同じく共同から短文で速報された続報を「◇」で区切って紙面に掲載したのでしょうね。続報に合わせて共同が記事を書き直すのを待っていては紙面の締め切りに間に合わないと判断したのでしょう。こういう手があるのかとうなった編集でした。