都議選2021 議席予測答え合わせ

2021年7月28日

 7月5日投開票の東京都議会議員選挙は、都議会与党の都民ファーストの会が議席を減らす一方、自民党は第1党に復帰したものの伸び悩んで、公明党と合わせても過半数に届かず、「勝者なし」の結果となりました。

 午後8時の投票締め切り直後に報道各社が報じた議席予測をまとめ、答え合わせをしておきたいと思います。

 放送やインターネット記事で投票締め切り後に議席予測を数値で報じているのを確認したのはNHK、NNN(日本テレビ)、JNN(TBSテレビ)で、毎日新聞、共同通信、時事通信も記事で情勢に触れています。

 数値で報じた3社のうち、NHKとNNNは最少~最大の幅で示し、JNNはずばり予想議席を一つの値で示しました。NHK、NNNは全党派で結果が予測幅に収まり「的中」となりましたが、今回はその幅がかなり大きかったので当然の感が否めません。それだけ混戦だったということですね。

 JNNは毎日新聞、フジテレビ、社会調査研究センターと共同で実施したインターネット調査を基に予測していました。NTTドコモが提供する「プレミアパネル」というリサーチサービスを活用して、ドコモの会員組織「dポイントクラブ」の会員のうち都内在住者から無作為抽出して調査協力を依頼する方法で行い、17,729人が回答したということです。

 通常の議席予測や情勢分析で用いられる、投票所出口調査や電話調査とは異なる新しい方法だったこともあってか、自民、公明で誤差が大きく出たほか、共産では1議席増の結果に対して2議席減と、個別の政党の獲得議席予測としては精度が低かったようです。ただ、都民ファーストの会の議席は的中し、自公合計でも誤差を1議席に抑えており、中選挙区制ということも踏まえれば、大勢をつかむには十分な精度といえそうです。

 JNNは一つの数値で、毎日新聞は文章で報じ、フジテレビは予測報道を確認できませんでした。限られた精度のデータをどう報じるか、社によって方針が分かれた格好です。