収集した2020年元旦紙面についてまとめる連載の最終回です。これまで一般紙とスポーツ紙について取り上げましたが、この他に集めたものについても簡単に紹介しておきます。
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夕刊娯楽紙
夕刊娯楽紙は夕刊フジ(大阪)、日刊ゲンダイ(大阪)、大阪スポーツの3紙。といっても新春特別号(大スポは「お正月特別号」)です。いずれも元日付ですが、前年12月29日に発行されました。
新聞業界は12月29日付から1月3日付まで夕刊を休むのが通例で、これに沿う形なのか夕刊娯楽紙はこの6日間店頭で継続陳列されることを前提に、29日に元日付の特別号を発行します。
各紙ともいつもの生ニュースを扱う紙面とは異なり、読み物中心の展開になります。その象徴が1面で、事実上の目次の扱いで、これでもかとたくさんの人物の写真が並びます。日刊ゲンダイのみは週刊誌表紙と同じような要領で、「表紙美女」として俳優、菜々緒さん1人の写真を大きく扱い、周りに見出しが並ぶレイアウトでした。
「裏1面」とも言われる終面は、日刊ゲンダイがゴルフの渋野日向子選手、大スポが子(ね)年ということもあって「爆チュー問題」に扮した爆笑問題が飾りました。夕刊フジは大関の大吟醸酒「大坂屋長兵衛」の全面広告でした。
夕刊フジが安倍政権の応援団的ポジションだけあって、安倍首相の新春特別インタビューを掲載しています。逆に反政権ポジションの日刊ゲンダイは、れいわ新選組の山本太郎代表、国民民主党の小沢一郎衆院議員の各インタビューを見開きに展開。プロレス紙としても名高い大スポは、引退直前の獣神サンダー・ライガーさんと天龍源一郎さんの対談が載りました。
英字紙
英字紙は、ジャパンタイムズと、読売新聞発行のジャパン・ニューズを入手しました。ジャパンタイムズは通常、ニューヨーク・タイムズ国際版が第2部として挟み込まれていますが、米元日のためジャパンタイムズ本紙のみの発行でした。
ジャパンタイムズは「東京は五輪の良き遺産を確保できるか」の見出しで展望記事を、ジャパン・ニューズはカルロス・ゴーン被告の逃亡をトップに据えました。
産業紙
産業紙は日経産業新聞、日経MJを入手しました。
日経産業新聞は「サイボーグ元年」と題した特集を多くの面で展開。いかにも日経っぽいこじつけ特集という感じがします。日経MJは東京五輪に引っ掛けて「5縁の輪 クロスオーバー」という、よくわからないシャレで年を始めました。
ページ数
- 夕刊フジ(大阪)新春特別号 48ページ
- 日刊ゲンダイ(大阪)新春特別号 48ページ
- 大阪スポーツお正月特別号 32ページ
- ジャパンタイムズ 16ページ(第2部のニューヨーク・タイムズ国際版は休刊)
- ジャパン・ニューズ 16ページ
- 日経産業新聞 16ページ
- 日経MJ 16ページ
本連載はこれで終わります。