大学の先輩の,とある界隈では有名なブログを愛読している。
(「大学の先輩」って言えることに圧倒的成長を感じる。合格万歳)
そのブログが10周年を迎えたということで10年前を振り返る記事が掲載されていた。末尾に,読者に「ぜひ御自身の10年前を、この機会に思い出してみてください」とあったので,僕も振り返ってみることにする。
といっても,先輩とは年が離れていて,先輩は10年前にすでに携帯電話を持ち歩いていたようだが,僕はまだ小学3~4年。そんなものは持っていない。落ちこぼれのサッカー少年だった小学生時代はあまりいい思い出がないのが事実。何かいまの自分につながるような楽しい思い出がないかなあ~と思って適当に10年前にあったニュースを調べていたら,見つかった。「2005・9・11」,忘れもしない郵政総選挙の日。あの日の選挙特番の記憶がよみがえってきた。
物心ついたころから,なぜかニュース番組が好きだったらしい僕。郵政総選挙の話をする前に,僕のニュース番組ファン史について振り返ってみる。
自分が覚えているなかで最も古いニュース番組の記憶は2001年ごろ。「JNNニュースの森」に杉尾秀哉さんがキャスターとして復帰したころ。それに合わせてオープニングがリニューアルされるんだが,その頃のオープニングを見た記憶がある。
その次に古い記憶は,小学2年の頃,つまり12年前。NHKのローカルニュース「関西845」の大ファンだったころ。当時,「関西845」で伝えられているニュースの内容を,自由帳にディクテーションの要領で書き留めて,翌日,クラスで休み時間にキャスターのまねをしながらニュースを読むという,けったいな小学生だった。面白がって聞いてくれていたクラスメイトは偉かったと思う。尊敬する。
そんな感じで,おぼろげながらも,昔のニュース番組の音楽やオープニングCG,スタジオの様子についてちょこちょこ覚えているところがある。
そんななか,2005年9月11日の郵政解散総選挙周辺は明確な記憶があるニュース番組がある。いや,正しくはワイドショーと言うべきなのかもしれないが,それが「みのもんたの朝ズバッ!」である。当時僕はこの番組にハマっていた。朝5時半に起きて,わざわざ番組全編を見るくらいハマっていた。
マニアックなところで言えば山田愛里アナウンサー(当時)が出演していた番組初期の記憶がある。コーナータイトルは忘れたが,基本,この番組のニュースコーナーは,柴田秀一アナウンサーと2人で伝えるのだが,ワンコーナーだけ山田アナ1人で伝えるところがあった。ちょうど後ろには,みのもんたらが休憩だか打ち合わせだかをしているテーブルが見えて面白かったものである。2010年ごろにスタジオがリニューアルされるんだが,それまでのスタジオは,ワーキングスタジオの概念も込められており,「コーナーごとにセットの場所を設定する」手法は,みのが動き回りながらニュースをズバズバ斬っていく番組のコンセプトにマッチしていて,大好きだった。
郵政総選挙が近づくと,8時またぎのコーナーはたいてい政治家をゲストに呼んで討論していた。平日の朝から討論というのが,当時としては斬新だったように思う。
そして僕の記憶のなかで明確に覚えているのは,選挙翌日の特番だ。この日は,なんと「はなまるマーケット」を休みにして,朝5時から10時までの5時間ブチ抜きスペシャルになった。僕は嬉しくなって,2時間録画のテーブを3倍録画にして全編収録した。5時間も録画するなんてのは初めての経験だったと思う。ちょうど月曜日はサッカーの練習が無かった日なので,下校するなりビデオを再生した。
5時。みのの前に3つボタンが用意される。みのがボタンを押すと,後ろに天井から垂れ幕が下され,選挙の結果に関する見出しが出てくる。実に朝ズバッ!らしい演出だ。
本編では大きなモニターが用意され,中継回線を結んでいる各候補の陣営の映像が何件も表示されている。たしか鈴木宗男,堀江貴文ら各氏だったと思う。
そして何より僕がわくわくしたのは,幻の「9時またぎ」である。「朝ズバッ!」のコーナー史上には5時半またぎ,7時またぎ,そしてメインの8時またぎが存在するが,この日は10時まで放送している。なんと「9時またぎ」が行われたのだ。8時またぎのようなコーナータイトルアニメーションは表示されなかったが,9時周辺になるとみのがまたぎボードを回した。するとその見出しにはちゃんと「9時またぎ」と書かれているのである。その日,9時またぎで何をやったのかは全く覚えていないが,歴史の瞬間に立ち会った思いだった。
Wikipediaによれば2009年の政権交代総選挙のときも9時またぎは行われているようだが,このころにはすでに朝ズバッ!熱は冷めていたのでよく覚えていない。
僕の10年前は,朝ズバッ!にハマっていた日々だった。それ以来,柴田秀一アナが出てくるたびにわくわくするのは今も変わらない。TBSラジオのニュースデスクを務めている柴田アナ。僕がTBSラジオをよく聞く理由はここにあるのかもしれない……。(たぶん違う)(なんだこのまとめ)