また、地元について考える

2015年5月24日

自宅の最寄り駅の前にコンビニがある。スナック菓子を棚からとってレジに持ち込むと、応対した店員に見覚えがある。名札を見ると、名前も確かに見たような記憶が。思い出した。中学のとき、塾で同じクラスにいた女子、もとい今では立派な女性だ。学校は違ったのだが、彼女は僕の小・中のそこそこ親しかった同期と一時期付き合っていたので印象に残っていたのだと思う。

そのコンビニがある場所は、彼女の地元ドンピシャのところだ。僕は知り合いと職場でバッタリっていうことが好きじゃないので、地元で働こうと思ったことが無い。きょう契約したバイト先も通学定期区間の中間地点にある。いろんな事情はあるんだろうが、なんで地元で接客業の仕事をしようと思うのか僕にはよくわからない。

そんなことを考えていたら、浪人時代のエピソードを思い出した。先日の記事で、予備校に通う電車がたまたま同じになった中学時代の親友について触れた。彼も僕も、当時は似たような場所の予備校に通っていた。ある日の電車の中で、参考書を買う場所の話になった。予備校の近くには書店が多く、入手しやすい環境だったのだが、彼は「あそこには無いねんよなあ」と地元のツタヤの話をしだした。「そりゃツタヤには無いよ……」と返したのだが、なかなか興味深かった。

地元には書店らしい書店が無い。ツタヤに本を売るスペースがあるくらいのもの。だけど、予備校周辺のターミナルに行けば大きな書店はいくらでもある。僕にとってはその時点ですでに、いま住んでいる地元よりも予備校周辺のターミナルほうが、自分にとっての「ベースキャンプ」だという意識がある。だから、何かしようと思えばとりあえずそのターミナルまで出て、あとはブラブラ、というのがほとんどだ。ところが、彼にとってはその意識は薄いようだ。実際、交友関係も地元の人間のほうが多いらしい。僕とは正反対である。

隣県にある大学に通い始めた僕にとっては、いまのベースキャンプは大学周辺と定期区間内にあるターミナルである。まあある意味、典型的な都会人としての生き方に沿っている。その代わり、「地元」に対するこだわりは薄い。

「地元」ってなんなんだろう。