徹夜明けの妙なテンションのなかで

2015年2月22日

昨日はほぼ一日無駄にしてしまった。夕方まで寝てしまった辺り,本命の大学の入試を数日後に控えた受験生としての緊張感はかなり足りない。いいのさ,そういう無駄な緊張をしないのが僕の取り柄なんだ。とはいえ,さすがに試験前だからそろそろ睡眠の調整をしなければ。というわけで得意の荒業,徹夜を決行した。朝の6時半くらいまで落語を聴いたり本を読んだりして穏やかに過ごした。ちなみに家では勉強しないと決めている。海から割と離れているのに汽笛が聞こえた朝。どこから湧いてくるのかわからない充実感に浸る。

支度をすませると,次の電車の時刻まで半端に時間が余ったからリビングのテレビを見ながらしばし時間調整。日曜の朝はなぜかフジテレビの「新報道2001」を見てしまう。冒頭の,お世辞にも見ていてタメになるとは思えないヌルい編集の映像にダメ出しをするのが習慣になってしまった。中華圏のニュースの雰囲気漂うオープニングCGが流れると,きょうは吉田恵キャスターが休みで秋元優里アナが代打を務めていることを知る。秋元アナファンの知り合いがさぞ喜ぶだろうなと思い浮かべながら出立である。

徹夜明けの異様なテンションには,こぬか雨がそぼ降り,心なしか霞がかっているように見える風景がぴったりである。傘は持ったが広げるほどではなかった。駅に着いて電車に乗り込み,山崎豊子の小説を読み始めた。ここで単語帳を開かないのも受験生として糾弾されそうだが,そんなことは別にいいのだ。

いつも根城にしているファストフード店に着いた。ホットコーヒーを頼み,模試の問題を鞄から引っ張り出した。解いてみると,11月当時は苦戦した文章がかなり明快な論旨展開だったことに気づく。なるほどあの予備校の模試が手堅いと言われる所以はこのあたりか。落ち着いて解くとなんてことない文章なのだ。

採点してみてもかなり良い点数だった。一度解いたことがある事情をさっ引いてもこれだけとれれば大丈夫だろう。一安心したところで,近くの図書館に用事があったのを思い出した。ちょうどお昼を回ったところだったから,開いていたテキストを鞄にしまって図書館へ向かった。

昔,オープンキャンパスで訪ねた大学図書館で見つけた資料が興味深かったのを思い出し,ブログのネタにできるのではと考え,資料を取り寄せようと思ったのだ。職員さんに相談すると,とりあえず調査してみるとのこと。折り返しの返事を約束して貰い,ついでに2冊借りて図書館を出た。雨は既に上がり,ひんやりした空気が肌を滑っていった。

そろそろ徹夜明けの疲れが出てきたかなあと思いながら,このテンションならここまでのきょうの動きを文章にできるかもと思った。さっきのファストフード店に戻り,アイスコーヒーを頼み,スマートフォンを触る。

ようやく書き終えた。この不思議な満足感はやはり徹夜明けのテンションの賜物か。Twitterのタイムラインには九州と北陸で春一番が吹いたとある。そうか,もう春がくるのか。僕には春がくるのかな。とりあえず数学解くか。

僕はまた鞄から模試を引っ張り出した。店内には季節はずれのハワイアンミュージックが流れている。異様なテンションはもうしばらく続きそうだ。