けさの朝日新聞、社会面トップは異色の大型記事だった。

11月14日の放課後。体育館につながる渡り廊下で、相賀くに恵(あいが・くにえ)さんはえんじ色のジャージー姿を呼び止めた。「はい、これ読んで」。部活に向かう彼女…
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かなり取材を尽くしたのだろう。あの日を巡る細かな風景が再現される。華やかなスクープではないかもしれないけれど、同級生それぞれの視線で振り返るあの日を、僕は他紙で読んだことがない。
紙面は大胆に余白をとって、他のニュース記事とは一線を画したレイアウト。第1社会面にこれだけの大構え。でも、ちょっとやそっとのニュースが入ったところで、場所を明け渡すようなレベルの内容でないのは確か。
朝日の紙面レイアウトは、どうも最近単調で、以前のスタイリッシュさには及ばないとも思っていたが、こうした記事を扱うにふさわしい器は保ってきたのだと再認識させられた。語弊を恐れずに言えば、毎日や読売にはできないと思う。
(2018.11.14、紙面は大阪本社発行14版を参照)