2020年の元旦紙面をさまざまな角度から楽しむ連載の第2回です。今回は収集した一般紙の中から、特色ある別刷りをご紹介します。
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京都新聞「知恵会議」に82団体
とりわけ目を引いたのは京都新聞の別刷り「日本人の忘れもの 知恵会議」でした。24ページ構成で、「NIKKEI The STYLE」同様の上質紙とフルカラー印刷のきれいな紙面です。中を開くと、学識者や伝統芸能の役者や工芸職人、作家など32人の随想が載っているほか、京都の財界、私大、寺院のトップ72人も年頭の抱負を寄せています。
おそらく後者が名刺広告の発展形に当たるのではないかと思います。それに箔をつけるのが前者の随想、ということかなと思われます。
中面に列挙されている「日本人の忘れもの 知恵会議2020」参画企業・団体は82に上っています。企画協力には京都の広告会社「日商社」がクレジットされています。
奈良新聞、全市町村紹介と“党首”インタビュー
奈良新聞は県内全39市町村の施策紹介と首長の写真と色紙を掲載しています。紙面下部は地元企業などの広告がずらりと並んでいます。とても新春特集らしい紙面です。別刷り「第2特集」が県北、同「第3特集」が県南に振り分けられています。「第1特集」の1ページ目には荒井正吾知事の新春あいさつも掲載され、県内自治体すべての首長が紙面上で一堂に会した格好ですね。
しかし迷要素も忘れない(?)のが奈良新聞。「第1特集」には幸福実現党の釈量子党首の主張が1面を割いて掲載されました。一応「広告」ではなく「企画」の扱いです。奈良県明日香村に同党の村議がいることから出稿に至ったものと思われます。奈良地元の新興宗教「天理教」の全面広告(こちらは「企画」ではなく「広告」)も「第4特集」1面に載っています。
中日は滋賀独自の別刷り発行
中日新聞滋賀版には、8ページ構成の滋賀県版独自の別刷りが挟み込まれました。郷土料理「ふなずし」など滋賀の発酵食品文化を特集したものでした。
中日新聞は今回、愛知、岐阜、三重、長野、滋賀、静岡、福井、石川・富山の8エリアごとに別刷り地方特集を製作しているようです。滋賀別刷りの6、7ページにその旨記されており、この2ページは中部7県の城特集でおそらく共通内容(広告は差し替え)だと思われます。
次回はスポーツ紙を取り上げます。