改正資金決済法が5月31日に成立し、「仮想通貨」の法令上の呼称が「暗号資産」に変更されることになりました。これを受けて読売新聞は、6日付朝刊の1面におことわりを掲載し、今後は「暗号資産(仮想通貨)」と表記すると説明しました。
那覇市の仮想通貨業者が国税当局から所得隠しを指摘されたニュース記事の末尾に添えられたもので、ニュース記事での表記は見出し「暗号資産」、本文初出「暗号資産(仮想通貨)」、同2度目以降「暗号資産」となっています。
仮想通貨は貯蔵機能など法定通貨としての特性を欠くことから、呼称が誤解を生むとの指摘がありました。昨年の主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨(virtual currency)を暗号資産(crypto-assets)に呼称を変更したのを機に、国際的にも「暗号資産」の呼称が使われ始めています。
改正法は来年4月に施行される見通しですが、麻生太郎副総理兼財務相は既に昨年11月から、国会答弁で「暗号資産」の呼称を使っています。一方、時事通信は「仮想通貨という呼び方はある程度定着しており、新たな名称がどこまで普及するか不透明」(記事リンク)と解説していました。
他の全国紙、通信社
朝日新聞は5日付朝刊の記事から本文初出の表記を「仮想通貨(暗号資産)」に変えましたが、同2度目以降や見出しでは「仮想通貨」を維持しています。表記変更のお断りも出ていません。
共同通信は6日午前配信のウェブ記事で、本文初出を「暗号資産(仮想通貨)」とし、見出しは「仮想通貨」としました。このニュースの共同電を載せた産経新聞6日付夕刊も同様です(いずれも本文に1度しか登場せず)。
毎日新聞、日経新聞、時事通信は6日現在で呼称変更を確認できませんでした。