那覇市の首里城で31日未明、出火し、正殿が全焼するなど計7棟が被害を受けました。31日午前には河井克行法相が、妻の選挙違反疑惑で辞任。大きなニュースが二つ、夕刊帯に重なりましたが、在阪一般紙夕刊は炎上する首里城の写真を大きく掲載し、沖縄のシンボルの焼失を紙幅を割いて報じました。
在阪5紙と神戸新聞の31日付夕刊最終版の1面は ▽毎日と神戸が首里城焼失をトップ、法相辞任を準トップに ▽朝日、読売、産経がその逆 ▽日経はトップ米利下げ、準トップ法相辞任、3番手首里城焼失 となりました。法相辞任をトップにした3紙もスペースの割き方は二つのニュースで遜色がなく、日経も1面で写真を載せました。通常、夕刊で1面に短信コーナーを設けている朝日と毎日はコーナーを休止し、読売も連載「比べる 正倉院宝物」を休みました。
一方社会面では全紙が首里城焼失を見開き左側の第1社会面(1社面)で扱い、読売は2社面の一部にもはみ出して関連記事を掲載。神戸は1社面全てを関連ニュースに費やし、毎日は1社面に加え、見開き右側の総合面(事実上の2社面)で写真特集を展開しました。
ところで1面に掲載された未明に炎上する首里城の写真のクレジットを見ますと ▽朝日、読売が自社カメラマンの撮影 ▽毎日、日経、産経、神戸が近隣住民撮影の提供写真 でした。日経、産経、神戸は同じ写真を使っています。
また社会面では3紙が地元地方紙の提供写真を使いました。朝日と神戸が夜が明けて焼け落ちた正殿の写真を沖縄タイムス社のクレジット付きで掲載。毎日は空が白み始めた午前6時に周辺に駆けつけた住民らを捉えた琉球新報の写真を使いました。
私は2017年8月にサークル旅行で首里城を訪ねました。緻密な考証を経て選ばれた朱色をまとった城は、ライトアップされてとても美しく映えていたのを覚えています。街中の高台にそびえ、人々の誇りとなっていただろうと思うと胸が痛みます。再建が成功することを祈ります。