おことわり
この原稿は2017年8月3日に途中まで書いて放ったらかしにしていたものです。今から完成させるのも面倒なので、とりあえず中途半端なままではありますが公開しておきます。何かのメモとして役に立てば幸いです。
安倍晋三首相は3日、内閣改造と自民党役員人事を行った。今回は3日朝刊から4日朝刊にかけての新聞各紙を読み比べ、感想を書いていこうと思う。
朝日が“朝刊以上”意識 ――3日夕刊トップ
2日夜には各報道機関が全19閣僚の顔ぶれをつかみ報じていたので、3日付の朝刊各紙1面トップの見出しや記事はほとんど同内容だった(後述)。
問題は夕刊だ。夕刊段階では自民党役員人事が正式に承認され、自公党首会談が行われたかどうかというところ。まだ正式に内閣は発足していない。
人事の中身はすでに朝刊に盛り込んだため、「はざま」の時間で何を書くかというのは知恵の絞りどころ。さて見出しはどうなったか。以下、在阪紙夕刊1面トップから。
▽朝日
岸田氏「丁寧な議論重要」
高村氏「内閣は経済第一」
自民新執行部、改憲に慎重発言
▽毎日
第3次改造内閣 今夕発足
安倍首相「初心に戻る」
▽読売
改造内閣 安定重視
元閣僚を多数起用
今夕発足
▽産経
内閣改造 安定を重視
首相「信頼勝ち取る」
午後発足
▽日経
首相「初心に戻り結束」
第3次改造内閣 今夕に発足
見出しは産経や日経が自民党総務会や役員会での首相コメントを使ったが、基本的には朝刊以上の情報をうかがえるものではない。その意味で朝日はなかなか整理がうまくいっている。岸田文雄氏(外相→党政調会長)、高村正彦氏(党副総裁留任)の役員会や就任会見での発言から、新役員が相次いで改憲への慎重な姿勢を示した旨を本記にすえた。「はざま」をうまく生かした良い紙面づくりだと思う。
ポスト安倍分析
今回の内閣改造・党役員人事のポイントの一つは、来年9月の自民党総裁選を控えた首相が「ポスト安倍」候補をどう処遇するかだった。その点について各紙、中面のサイド記事で分析している。
特に去就が注目されたのは岸田氏だった。
(ここで書きっぱなしにしていました)
(参考)3日朝刊1面トップ見出し
▽朝日
総務・野田聖氏、外務・河野氏
文科相は林芳氏
きょう内閣改造
▽毎日
外相に河野氏
総務相野田聖氏、文科相林芳氏
きょう内閣改造
▽読売
河野外相、野田聖総務相
法務上川氏、五輪鈴木俊氏
きょう内閣改造
▽産経
外相・河野氏 文科相・林芳氏
野田聖子氏は総務相
きょう内閣改造
▽日経
外務・河野氏、総務・野田聖氏
厚労加藤勝氏、経財茂木氏
きょう改造
▽京都(共同電)
外務河野氏、総務野田氏
厚労加藤氏、文科林氏
きょう改造、党人事
▽大阪日日(共同電)
自民政調会長に岸田氏
文科は林氏、野田氏入閣
きょう内閣改造
▽神戸(共同電)
外相河野氏、総務野田聖氏
法相に上川氏再起用
きょう内閣改造
各紙とも野田総務・河野外務の2大臣を一つのサプライズネタとして重視。あとは適材適所で堅実な人事の象徴としては林文科相、上川法相、茂木経済財政相らが見出しに載った。読売の鈴木五輪相は初入閣組から、日経と京都の加藤厚労相は首相の覚えがめでたい「四天王」からそれぞれ選んだというところだろうか。ちなみに読売は上川法相と鈴木五輪相をリードに盛り込んでいないのでご法度を犯しているとも言える。