関西電力の 八木誠 会長ら幹部6人が、自社の原発が立地する福井県高浜町の故・森山栄治 元助役から1億8千万円の提供を受けていたとするスクープを 共同通信 が報じました。各社も追随し、27日付朝刊最終版では全国5紙(大阪本社発行)のうち 読売新聞 だけが特オチとなる結果になりました。このうち 朝日新聞 は元助役を匿名とし、日本経済新聞 は元助役に加え、受領した関電幹部も匿名としました。
(なお、その後の27日午前、関電は記者会見を開き、幹部ら20人が計3億2千万円の金品を受け取っていたことを明らかにしています。これ以降の報道では各社とも元助役を実名で報じています)
各紙の掲載状況
共同がインターネットで最初に報じたのは午前1時35分ですが、遅くとも午後10時台には締め切り時間を設定しているとみられる 大阪日日新聞 でも、前掲リンク先の文面と同じ短信を社会面に突っ込んでいるため、加盟社にはこのあたりの時間に記事を配信しているものとみられます。
加盟紙の一つ、京都新聞 は1面トップに加え社会面サイドも掲載。産経新聞 も1面トップに共同電を掲載し、末尾に産経独自の取材による八木会長のコメントなどを付け加えました。毎日新聞 と日経は追っかけ取材に基づくとみられる自社記事をそれぞれ1面、社会面に掲載。
一方、非加盟紙は朝日が1面トップに自社原稿で掲載。読売には掲載がありませんでした。時事通信 はツイッターでの「速報」が27日午前9時42分になってからであり、27日付朝刊帯には間に合っていないものと思われます。
実名か匿名か
関電幹部側に金品を渡したとされる元高浜町助役については共同(産経、京都)、毎日が 実名報道。一方で朝日は「福井県高浜町の元助役の男性=3月に90歳で死亡=」、日経は「福井県高浜町の元助役の男性=死亡=」「1977〜87年、高浜町の助役を務めた」とそれぞれ匿名で報じました。大阪日日は共同電ではあるものの短文速報段階だったため、元助役の実名は報じていません。
なお関電の記者会見を受けた27日付夕刊段階では読売を含め全紙が元助役を実名で報じています。
金品を受領した関電幹部の実名については次の通りで、日経のみが 匿名報道 としました。
- 朝日 「関西電力の八木誠会長や 岩根茂樹 社長ら役員6人」
- 毎日 「関西電力の八木誠会長(69)ら6人」「会長のほかに岩根茂樹社長(66)、豊松秀己 元副社長(65)が含まれる」
- 日経 「関西電力の役員を含む同社幹部6人」
- 共同(産経、京都) 「関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら6人」
- 共同(大阪日日) 「関西電力の八木誠会長(69)ら6人」
放送局は
関電の記者会見前の段階で放送局はどのように報じたのでしょうか。
NHK(記事)は元助役は匿名、関電幹部側は「税務当局から指摘を受けたのは八木誠会長や岩根茂樹社長ら経営幹部6人」と報道。
一方、民放では在阪、在京各局のニュースサイトを見たところ記者会見前の段階で出された記事は確認できませんでした。