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深夜の「紙幣刷新」情報、最終版に間に合ったか

2019年4月15日
2024年刷新予定の新1万円札(財務省ウェブサイトから)
2024年刷新予定の新1万円札(財務省ウェブサイトから)

 4月9日午前0時半を過ぎた頃、フジテレビがニュース番組「Live News α」で独自ダネを報じました。政府が紙幣を刷新する方針を固めたという内容でした。

 政府は1万円などの紙幣を、20年ぶりに刷新する方針を固め、早ければ9日にも麻生財務相が発表する方向で調整を進めていることがわかった。

 紙幣は、偽造防止などのため、およそ20年周期で紙幣を新しいデザインに変える改刷を行っている。

 政府が検討を進めているのは、新しい1万円札に、「資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一氏。

 5,000円札には、「女子教育の先駆者」と評され、津田塾大学創始者である津田梅子氏。

 1,000円札の肖像画には「近代日本医学の父」といわれる北里柴三郎氏が採用される方向で、最終調整されている。

 前回、紙幣が変更された2004年から20年後の2024年をめどに刷新される方向で、早ければ9日にも麻生財務相が発表する見通し。

【独自】20年ぶりに紙幣刷新の方針 1万円札は渋沢栄一氏 – FNN.jpプライムオンライン

 新聞の9日付朝刊紙面の編集は、「13版」(産経の14版など例外あり)がすでに締め切りを過ぎたと思われ、最終版に突っ込めるかどうかの瀬戸際の時間でした。在阪紙面の結果をまとめます。

 まず朝日新聞「14版△」は間に合わず、掲載がありませんでした。

 毎日新聞は追っ掛け版の「14版◇」を製作、1面トップで掲載しました。見出しは「新紙幣、政府検討/渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎」(縦4段)。記事は33行で、3人の顔写真付き。「肖像画を変える準備に入った」と、刷新自体は断定調といっていいと思いますが、具体的な人物については名前をそれぞれ挙げた上で「検討している」止まりでした。見出しの「検討」はここに由来しているものです。変更時期は「数年後をめどに」としました。他に、前回の肖像変更事実や、紙幣様式の決定過程を書いています。

 読売新聞「14版」は掲載なし。

 日経新聞は「14版」の1面、3番手(紙面真ん中)に掲載。見出しは「政府、紙幣刷新へ/1万円札は渋沢栄一」(縦3段)。記事は14行で、肖像は「有力だ」という書き方で3人とも名前を明記。「9日にも発表」とも書かれました。また、改元機運を盛り上げる狙いがあるともしています。

 産経新聞「14版」と大阪日日新聞は当然というべきか、掲載はありませんでした。

 在阪紙面ではありませんが、神戸新聞も1面3番手(紙面真ん中)に共同電を掲載。見出し「政府、紙幣刷新へ/1万円札渋沢栄一、5千円札津田梅子」(縦3段、黒ベタ)で、記事は10行。3人の名前も明記し「採用する」と断定調。9日にも発表する旨も書きました。

 そして福島民友も確認できました。最終版は「8版」ですが、第3社会面が「9版●」となり、左上に記事21行が掲載されています。見出し「千円札、北里柴三郎に/紙幣刷新へ、1万円札は渋沢栄一」(縦3段)。共同電ですが神戸新聞よりも長く掲載。3人を短く紹介する内容が入ったほか、改元に合わせた形になっていることについても触れています。

 一方、福島民報「8版★」は掲載がありませんでした。

 今回見た新聞では、フジがめどとして報じた2024年という刷新の時期を盛り込むことができませんでした。発表自体は改元と合わせて行う狙いがあったと思われますが、刷新自体はそうではないので、日経の原稿や福島民友掲載の共同電はミスリード感が否めません。

 在阪紙と福島民友、福島民報は大阪府立中之島図書館で、神戸新聞は神戸市灘区の通学先の図書館で確認しました。