2021衆院選新聞調査(6)中国新聞

 第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第6回は中国新聞です。

3本社各紙面で見出しに立った当選者は

 中国新聞は、広島県内ではトップシェアを持ち、岡山、島根、山口各県でも一定の読者を獲得しています。そのためブロック紙や準ブロック紙として扱われることがある一方、地元広島県と、有力県紙がない山口県以外では、取材・営業網の縮小傾向がみられることから以前よりも県紙的性格が強まっているとの見方もあります。

 発行本社は三つ。広島市の本社紙面は広島西部と島根・鳥取向け、福山市の備後本社発行「備後版」は広島東部・岡山向け、山口市の防長本社発行「山口版」は山口県向け、とエリアごとに分かれています。

 今回入手した紙面は本社版が18版と19版、備後版は17版と19版、山口版は16版の計5個版です。いずれも中国地方5県の20小選挙区はすべて当選確実が決まっていました。

 そんな中、1面トップは全国の情勢に関する記事が配され、その隣には中国地方の選挙区結果を伝える見出しが縦3段分で載りましたが、やはり発行エリアに配慮して見出しに立つ選挙区・当選者名にバリエーションが出ました。

版数主見出し脇見出し
18版
19版
広島3区 斉藤氏6区佐藤氏 山口3区林氏
備後17版岡山5区 加藤氏広島 6区佐藤氏 7区小林氏
備後19版広島6区 佐藤氏7区小林氏 3区斉藤氏
山口16版山口3区林氏 1区高村氏2区岸氏 4区安倍氏

 広島3区の斉藤鉄夫氏は公明党候補の比例からの鞍替え出馬という経緯があったため、県内でも最注目だった選挙区でした。そのため本社発行の18版、19版で主見出しを飾るのは順当でしょう。

 山口16版は、山口県内全4選挙区で見出しを埋めた形となりました。

備後版は地域面を版建てによって分ける

 さて備後版では17版は岡山5区、19版は広島6区と分かれました。岡山5区は笠岡市、井原市、倉敷市の一部などを、広島6区は尾道市や三原市(それぞれ一部地域除く)、府中、三次、庄原各市などを含んでいます。

 実は地域面を見てみると、備後19版は「備後総合」の2個面のみとなっており、記事も広島県内のみに特化した内容となり、ほとんど本社18、19版の題字を差し替えただけの紙面となっていました。一方、備後17版は「井笠おかやま」の1個面のみで、開票結果を受けた陣営取材をもとにした記事は岡山5区の3候補のみ。

 つまり同じ備後版でも、17版は岡山向け、19版は広島東部向けと配達地域を割り切って、1面も実際の配達地域を想定した紙面整理を行ったと思われます。

地域面題字。左から1面版数は18版、備後19版、備後17版、山口16版

残り議席数

  1面に「紙面制作上、開票状況や獲得議席数などが各面で一致しない場合があります」というお断りが掲載されており、1面と3面の集計進捗は異なる。

1面合計3面集計時刻3面合計3面選挙区3面比例
山口16版残520:20残68残32残36
備後17版残341:05残40残14残26
18版残231:40残26残6残20
19版
備後19版
残172:20残17残2残15

各地で販売していた版

店名版数
博多LS福岡博多駅前二丁目店──
博多FM博多駅博多口店──
小倉FM小倉駅新幹線口店──
小倉SEハートインJR小倉駅新幹線口東店──
新下関SEおみやげ街道新下関店山口16版
新山口SEおみやげ街道新山口新幹線改札内店山口16版
新山口LS新山口駅前店山口16版
徳山SEおみやげ街道徳山新幹線改札内店山口16版
広島SEキヨスク広島新幹線下りホーム西店18版
広島SEエキシティひろしま店19版
福山SEおみやげ街道福山新幹線店備後19版
岡山SEハートイン岡山駅新幹線改札内店──
岡山FM岡山桃太郎大通り店──
岡山SEキヨスク岡山駅新幹線下りホーム店備後17版
新神戸SEアントレマルシェ新神戸店──
地下鉄新神戸FMUライン新神戸駅売店──
地下鉄東梅田FMディアモール大阪店──
北新地LSホテルモントレ ル・フレール大阪店──
地下鉄北浜FM伏見町二丁目店──
地下鉄本町LS S OSL御堂筋本町駅店──

※山口版は防長本社(山口市)発行、備後版は備後本社(広島県福山市)発行。SE=セブン─イレブン、LS=ローソン、FM=ファミリーマート、──=売り切れまたは取り扱いなし。