今週のフロント
辻陽『日本の地方議会─都市のジレンマ、消滅危機の町村』中公新書(2019)

曽我謙悟『日本の地方政府』に続いて刊行された地方政治関連の中公新書。
二元代表制の下、首長に強い権限のあるため国政に比して議会の存在価値が小さく、議会、議員をサポートする体制も弱い。ゆえに専門職なのか名誉職なのかはっきりしないのが日本の地方議員制度の特徴です。
こうした課題に対して十把一絡げに議会改革を論じる向きを著者は牽制します。自治体の規模の大小や議員のなり手の多少に関して格差が大きいからです。地域代表なのか政策の代表なのか、議会の再定義をして各地域の特性を考慮した議会改革が求められるとしています。
「今週のフロント」は、その週の見た・聴いた・読んだものの中から一つを紹介します。掲載しない週もあります。また特に取り上げたいものは従来同様、独立記事で紹介します。
見た
- TBSテレビ『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』(2019.9.16)
- 芸術祭『あいちトリエンナーレ』愛知県美術館会場=2019年9月22日
- 東海テレビ『さよならテレビ』(2018.9.2)=2019年9月22日、芸術祭「あいちトリエンナーレ」映像プログラム(愛知芸術文化センター)で視聴
- 映画『共犯者たち』チェ・スンホ監督(2017年)=同
聴いた
- TBSラジオ『メタウォーターpresents 水音スケッチ 全国スペシャル〜北海道から沖縄まで 諸処(ところどころ)で膝栗毛〜』堀井美香、國村隼(2019.9.15)
- TBSラジオ『荻上チキSession-22』特集「福島第一原発の事故をめぐる裁判で、東京電力・旧経営陣に無罪判決。 今回の裁判で何が見えてきたのか」荻上チキ、南部広美、桶田敦、崎山敏也(2019.9.19)
読んだ
書籍
- 岡田一郎『革新自治体─熱狂と挫折に何を学ぶか』中公新書(2016)
- 倉橋耕平『歴史修正主義とサブカルチャー』青弓社ライブラリー(2018)
- 日経BP『日経コンピュータ 2019年9月5日号』特集「みずほ3度目の正直─ついに崖越え、勘定系再構築の全貌」(2019.9.5)
- 野口悠紀雄『1940年体制(増補版)─さらば戦時経済』東洋経済新報社(2010)
ウェブサイト、新聞・雑誌記事
- 石戸諭『賞賛だけでいいのか?リベラルが絶賛する映画『新聞記者』に感じた現場からの違和感』ハフポスト日本版(2019.9.21)
- 江川紹子『「表現の不自由展」何が問題だったのか~検証委員会第2回会合を傍聴して』Yahoo!ニュース個人(2019.9.18)
- 岸政彦『にがにが日記─人生はにがいのだ。 ─ 第10回 2019年9月1日〜9月8日』考える人(2019.9.17)
- web中公新書『『日本の地方政府』/曽我謙悟インタビュー』(2019.9.17)
- 田中博文『「俺のことはほっといてくれ」 QBハウスで思うこと』ジェイ・キャピタル・パートナーズ(2019.9.13)
- 北守『書評:綿野恵太『「差別はいけない」とみんないうけれど。』(平凡社、二〇一九年)』過ぎ去ろうとしない過去(2019.9.19)