三重南部の多彩な地域紙

2020年6月9日

(前ページの続き)

吉野熊野新聞(熊野市)

 熊野市、南牟婁郡をエリアとする夕刊紙で、南紀新報のライバルに当たります。本社は南紀新報にほど近い熊野市木本町にあります。ローソン熊野木本町店で購入しました。1959年創刊。月決め1900円、1部売り70円。ブランケット判4ページ建てで、1面と終面はカラー、中面はモノクロ刷り。1面コラムは「筆尖」です。

 6日付トップは「三重県町村会、西田町長(紀宝町)が新会長」。写真は就任祝いの花束を同町職員から受け取る西田健新会長を写しています。三重県は平成の大合併で村がなくなったのですが、いまも「町村会」なのですね。1面中央位置には和歌山県新宮市の話題が載っていて、熊野との結び付きの強さがうかがえます。

 2面は南紀新報同様にテレビ欄ですがこちらは6日の分のみ。掲載局は南紀新報でのそれに加えてNHKのBS2局。さらに番組解説記事が載っており、チャンネルは在名局の名前で表記されています。最終面には出生情報と訃報が載っていますが、一般的な「おめでた」「おくやみ」ではなく「よろこび」「かなしみ」と題されています。横には「伝言板」のコーナー。文字通り地域の伝言板になっており、この日は熊野市飛鳥町の飛鳥神社氏子総代会による四本杉祭りの神事執行のお知らせでした。

紀南新聞(和歌山県新宮市)

 和歌山県新宮市に本社のある夕刊紙で、三重県では熊野市以南、和歌山県では新宮市、田辺市本宮町、那智勝浦町、太地町、串本市古座、北山村をエリアとしています。熊野市のローソン熊野木本町店で入手しました。1946年創刊。月決め1700円、1部売り100円。ブランケット判10ページ建てで、カラー面は1、3、8、10の各面。1面コラムはありませんが9面に社説を掲載しています。

 6日付のトップは「避難先の一つに宿泊施設」。新宮市が新型コロナウイルス関連の支援策として、災害時の避難先に市内の宿泊施設を利用した場合に、1人1泊2000円まで補助すると発表したニュースでした。準トップは三重県内のネタで、鵜殿港(紀宝町)や木本港(熊野市)などで、港内の釣り自粛要請が解除されたという話題でした。

 2面と4面では国内・海外のニュースを扱っています。読売新聞の地域紙記事写真配信サービスに加入しており、「記事写真提供 読売新聞社」のクレジットが表記されています。株式市場の記事は新宮に支店のあるいちよし証券から提供を受けています。

 番組情報は三重のページと和歌山のページに分かれており、NHK2チャンネル、民放4大系列4局(三重は在名、和歌山は在阪)に加え各県の独立局が掲載。さらに和歌山のページには和歌山放送ラジオ、NHK第1、FM三重、NHK BS1、NHK BSプレミアム、WOWOWの番組表も載っています。

紀勢新聞(尾鷲市)

 本社尾鷲市の夕刊紙で、紀南新聞の系列紙です。同市と紀北町をエリアとしています。ファミリーマート尾鷲中央町店で購入しました。1949年創刊。月決め1600円、1部売り90円。ブランケット判4ページ建てで全ページモノクロ刷りです。1面コラムは「不連続線」です。気象用語で、前線は不連続線の一種ですから、雨の多い紀伊半島南東斜面に位置する地域らしいタイトルです。

 トップは「部活動が本格的に解禁」。尾鷲市立の小中学校で再開された部活動の様子を伝えています。2面は番組情報で、NHK2チャンネル、在名民放4局、三重テレビの番組表が掲載されていました。


2020年6月6日三重新聞調査 記事一覧
  1. 中日新聞の三重県内地方版 2020年6月7日公開
  2. 3大紙の発行社境界・三重の県版は 2020年6月8日公開
  3. 三重南部の多彩な地域紙 2020年6月9日公開