大量の個人情報を含んだ神奈川県庁のハードディスクが多数流出し転売された問題の報道で、「ハードディスク」に当てる略語が各社によって「HDD」と「HD」に分かれています。
黒岩祐治知事が6日に記者会見で陳謝したニュースの記事から採録すると以下の通りになります。
「HDD」派は朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、時事通信、神奈川新聞、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ神奈川。「HD」派は日本経済新聞、共同通信、東京新聞。フジテレビは8日の昼ニュースで一旦「HD」に変わったものの、9日の昼ニュースでは再び「HDD」になりました。以上の社は発覚当初から執筆時点(9日)まで一貫しています。
NHKは発覚当初から執筆時点(9日)まで略称表記を使っていません。日本テレビは7日の記事で「HD」を見出しに取りましたが、8日以降は「HDD」になっています。テレビ東京は9日の記事で「HD」表記を使い始めました。
以上をまとめると「HDD」派が11社、「HD」派が4社、略称不使用が1社ということになります。
元々は情報を記憶させる円盤自体が「ハードディスク(HD)」で、それを動かすモーターなども含めた装置全体を「ハードディスク駆動装置(HDD)」と呼び分けるものだそうですが、現在は後者も「ハードディスク」と呼ぶことが普通になっています。今回流出したものは円盤だけではなく駆動装置全体です。
各社とも「ハードディスク」と呼んでいることから、HDとHDDの区別に神経質になっている様子はうかがえません。「ハードディスク」と呼称するのだからそれに合わせて「HD」を使うというのも一理、流出したもの自体は駆動装置だから「HDD」とするのも一理で、私はどちらが正しい、誤りと言い切るものでもないかなと思っています。